続いて、greenz編集長の兼松佳宏さんの講演です。
兼松さんのシフトシートは
「変える」⇒「つくる」
『変える』ということには対象や、善悪があります。
こういうことがよくないから、そのために何かしよう、そういった心の動きのこと。
でも、「誰が」それをよくないって決めたの?とか、そういうよくわからない問題にまで発展してしまう。
でも、『つくる』は違くて。変わっていくときに、その先に残るものをつくりたい。世の中は変わっていくけど、その中で自分がいたんだぞ!っていう証となるようなものをつくりたい。変わっていく中にもまれるだけじゃなくて、その中で自分という存在意義を持たせるようにしたい、そう込めてシフトシートを書かれたそうです。
兼松さんの簡単な紹介です。
1979年秋田生まれの勉強家。
"暮らしと世界を変えるグットアイデア厳選マガジン”「greenz.jp」の編集長。
「わたし大学院」という自分でつくった超私立大学(!)の博士課程に通い、「ソーシャルデザインと場づくり」というテーマで勉強しながら、修士一年目に著作『ソーシャルデザイン』という本を執筆しました。来年の1月にもうひとつ論文という名の著作を発表することができたら卒業、だそうです!
兼松さんの心がけていることは 、
AS SANTA AS POSSIBLE(できるだけサンタでいよう)。
兼松さんが編集長をしているgrennzなどを含め、全部 ”贈り物” をする気持ちで届けようということです。それに、兼松さんの奥さんが現在、みんなでサプライズを企画して届ける「サンタの嫁」プロジェクトというものを行っていて、奥さんがサンタの嫁を名乗っている=つまり、兼松さんはサンタ、ということになるということも理由のひとつとしてあるのだそう。

greenzを始めたきっかけ

兼松さんがgreenzを始めたキッカケは、2つあって、1つは「ネガティブ」なことを知ったから。ネガティブなことを知らないと、それから何とかしようと思わないですよね。
メディアが流すネガティブなニュースを、greenzではそれらの解決策を提案しよう、なにか動き出したいと思っている人たちが参考になるようなモノを提供しようと思い立ち上げたそうです。
2つ目は、社会起業家を目指す人たちの理解者になろうとしたから。greenzを立ち上げた2006年には、まだまだ社会起業家という言葉が馴染んでいなくて”変わり者”というレッテルが貼られていたそう。それではいけないと思い、そういう人たちを応援しようとしました。
greenzは、Webマガジンというウェブ上だけのものではなく、オフラインでのつながる場というものも行なっていて、アイデアはあるんだけど、どうしたらいいかわからない…というような、アイデアのたたき台にするような、ツールや場所も提供しています。
このアイデアはひとりだけ?なんて思ったら、やっぱり不安ですよね?
その人なりの100%に向けての目標を応援するように、寄り添えるように、とgreenzは考えています。
そして、greenzの本「ソーシャルデザイン」のタイトルにもなっている、greenzが考えている、『ソーシャルデザイン』とはどういうことなのか
具体的な課題の解決と同時に、新たな価値を付与する画期的な仕組みをつくること。
マイナスである社会的 課題をゼロにする(=解決する)だけじゃ、その問題を知っている人にしか「いいね!」とはならなくて、多くの人に知ってもらうには、それをプラスにして見せることでやっと「いいね!」になる。でも、それが1回で終わってしまったらもったいないから、それを何回も続けられるような仕組みをつくり、社会の役に立つ、それが重要だと言っていました。
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その後はいくつかgreenzに載っている面白い具体例を紹介したあと、grennzが行なっている「マイ・プロジェクト」というワークショップについての説明をしてくださいました。
マイ・プロジェクトとは…?
「これやってみたいなー…」みたいな、”自分事”から始まったアイデアや、今もそれを達成しようとがんばっている自分プロジェクトのこと。
今回行ったワークショップでは、自分のマイ・プロジェクトを他の人に聞いてもらってそこから「私も実はねー!」みたいに、どんどん人を巻き込んで新しい企画をつくって、これからの社会がもっと良くなるようにするためのアイデア出しの場をつくりました。
こうしたいと思ってるのになんでしてくれないの!じゃなくて、こういう風にさせるには、っていう「どうしたらやりたくなるのか」をデザインすることも重要な視点。
今はアイデアやビジョンを編み出すことも重要だけど、何かアクションを起こして今はこういう風になってるんだけど、ここからもっと良くするためにはどうすればいいかな?みたいな、コミットして意見を共有をしながら育てていくこともどんどん必要になってくるだろうと。
ユニークであればあるほど、早く出せば出すほど、どんどん面白いものが増えていく。また、誰かの自分事から誰かからの共感をもらいながら、どんどん思いが組み合わさってプロジェクト化していく。そういうふうにして、社会に影響を与える面白いアイデアが生まれてくるのだと。
最後に兼松さんはこう言っていました。
考えずに踊らされるっていうのは、自分はとても楽。
それは、誰かがやってくれるから。
でもこれからは、「生き方を自分で選んでいく」(=自分事)ことが必要になってくる。
でもそれって、すごく大変。
だけど、それを超えた先にはきっと素敵な未来が待っているはず。
次はワークショップ。それから、ワークショップを通して感じたことなどを、ざっくばらんに話してもらうトークセッションに続きます。



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